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忘れない

 15日の朝3時頃ベッドが小刻みに揺れるのに気づきました。前日の熊本地震が甦り自分は今、和歌山市のホテルの13楷に居ることを認識し、部屋の入り口に貼られている避難経路を確認してフロントに電話をしました。「緊急避難の必要なし」とのことでした。それからは熊本地震の時、人はどのように行動し避難したかを考えながらウトウトと眠ってしまいました。
 14日夜に起きた、熊本県を震源とする震度7の地震に心が痛みます。14日も15日も熊本にいる友人に電話をするのですが「ただいま通話はできません」と優しい声が静かに流れるだけでした。携帯にも電話をするのですが発信音だけが響きます。「無事安穏を祈っています」とメッセージを残しながらこのまま予定通り東京に行くかそれとも熊本に行くかを考えました。幸いにも16日に電話が通じました。「庭の小屋は潰れましたが家自体は潰れませんでした。でも家の中はぐちゃぐちゃになっています。夜になると危険ですので避難所で皆さんと一緒に寝ています。ご心配をいただき有難うございます。忘れないでいただき有難うございます」と潤む声で話されました。被災者被災地への応援は「物」だけではありません。「心の絆」は距離を超えて励ましを送ります。
 「忘れない」という言葉の意味が変わりました。単に過去のこととして、記憶にとどめておくだけではありません。過去の ‘あの時’に抱いた思いや経験を忘れないことが、未来を目指して進む道しるべになると知りました。自然の猛威を前にした時、一人の人間の力は限りなく小さく感じます。それでも人間には危機の時に寄り添う心、逆境にも耐えて立ち上がる反発力があります。そのことを今思い出しています。
 今は現実的な救援、支援が必要なことは言うまでもありません。長引く避難生活にたまった心身の疲労はいかばかりでしょうか。一万キロ離れた地からも、希望のエールを送らずにはいられません。「私たちの心は常に、あなたたちと共にあります!」と。被災者の安心のために、1日も早い復旧のために力強く励ましてさしあげたいと思います。仲間がいれば人は強くなれます。共に希望の未来へ進んでいきましょう。


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卒園式

 今日は3月31日、今日で3月はおしまいです。28日から始まった春休み、久しぶりに近くの森を散歩しているとパラパラ、パラパラがザーに急変し、大木の下に走りこむ暇もなくずぶ濡れになってしまいました。一方で、冬の単調な風景を見慣れた目にパッと咲く連翹の黄色が、まばゆく春を告げていました。早春に咲く連翹の花は、毎年3月上旬に挙行される卒園式場には飾られ、可愛らしく勢いよく春を告げる花を見て子どもたちは「きれいー」と感嘆の声をあげたものです。今年のその頃、蕾は硬く閉じ式場では見られませんでした。
 9日の卒園式で卒園児に贈られたお祝辞の中に「なんでもいいから好きなことに集中していってください」とか、「たくさん本を読んで ‘自分もこの様になりたい’と思う見本にであってください。日本からあなた達のことを応援しています」とか。そして、 挑戦し続ける中に充実の人生があること、力強く自分の決めた道を歩み「まけない人」に最後の栄冠は輝きます等、厳しくも暖かい人生を生き抜く羅針盤を示し卒園児を励まし祝福してくださいました。
 世界を取り巻く脅威や危機が拡大し、複雑化する中で、ともすれば埋没し、おろそかにされがちな ‘一人一人の生の重みと限りない可能性’を自分の存在と切っても切り離せない他人との関係性への想像力を高め、違いを認めスクラムを組んでいこうと誓い合い、励まし合い、歓喜する子どもの世界が息づいていました。
 東日本大震災から5年目の11日を迎えました。閖上中学校の生徒14人が亡くなり遺族が建立した慰霊碑は、一般的な亡くなった人に向けられた「追悼」やこれから生きる人に向けられた「教訓」のようなメッセージ性のあるものとは異なります、と言われています。慰霊碑は故人を祀るためのものではなく、 « 子どもたちを忘れて欲しくない »という強い思いを伝えながら、「生ける死者」と向き合い続けるためのものであります。追悼型にも教訓型にも当てはまあない死者と共に生き続けるための記憶型の慰霊碑であります。遺族の中にはあたかも目の前に我が子がいるように話しかけている人がいますし、これからもここで我が子と話し合うことでしょう。つらかったことは消え去り、甘美な思い出だけが残る、記憶とはそういうものでしよう。負の歴史を記憶することは難しいです。だれしもわざわざ嫌なこと、辛いことを思い出したくはないからです。それでも、いな、だからこそ「語り継ぐ」「心に刻む」営為を怠ってはなりません。「忘れない勇気」こそ平和への一歩ですから。

安心安全の園

 パリ日本人保育園幼稚園の平成27年度卒園式は3月9日に挙行されます。園児たちは卒園されるお兄様、お姉様に贈るメッセージ書きをはじめ、お式の練習に励んでいる昨今です。3歳児でひらがなのかけない子は、先生が点々で下書きをしてそれをなぞって書いてくださっています。「せんせい かけたよ!」と、満足の喜びの声が響きます。先生方は放課後手作の卒園記念アルバム制作におおわらわです。
 今年の4月から小学校に入学されます園児たちは、1月29日に日本人小学校の体験学習に参加しました。Mちゃんは「はやくいきたい! ランドセルも にほんにいって かってきた!」と、嬉しそうに話してくださいました。Sちゃんは「すごい おおきかったよ はやくいきたいな」と、嬉しさを隠しきれず両手で大きな輪をかいて話してくださいました。サンカンタンヌにあるパリ日本人学校へ既に行ったことのある5歳のYちゃんは「おにいちゃんと いっしょにいった おおきすぎて まいごになるんだよね」と、ニコニコ顔で話してくださいました。
 当園はクッキング活動でも使用する調理室、フランス語習得を希望される保護者の為の語学教室が有ります。園児たちの活動場所もゆったりとし天井が高いのでボリュウムも有ります。衛生や安全の抜き打ち検査も有り、教職員はじめ保護者の協力のもと各機関から合格をいただいております。パリにある日系の園では一番の安心安全な園であることを自負しています。それでも子供達は早く巣立ちたいのです。Mちゃんのお母様は「大きな小学校を見てしまったから早く行きたいのですよね」と、子供達の大きくなりたい、伸びていきたいという気持ちを話してくださいました。
 毎年の卒園式頃に思い出すのは3月11日の東日本大震災です。この日が卒業式であった者達のことです。尊い命が失われながらも残った者は勇気を出して友の分まで生きてきたこの5年間。目が潤むのは私一人ではありません。パリでも東日本大震災5周年パリ追悼式を3月11日の18時に行います。去年のパリテロ事件同様に、自分だけの安心安全は考えられません。人と人とが絆を創り、育み、共生していく中でグローバルにその波を増しながら誰も止めることのできない大河の流れになっていくことを祈っています。

生命尊厳

 あけましておめでとうございます
青き地球の新しい一年の自転と公転が始まりました。私たちも新しい息吹で太陽のようにたゆまずに進んでいきましょう!
 暖房のよく効いた部屋からベランダ越しに隣家の赤い屋根瓦の上の張りつめられている白い霜を見、見の引き締まる凛とした朝を迎える昨今です。それまでは空の奥深く、赤色からオレンジにそして黄金色に刻々と変化していく天からの贈り物を全身に受け朝を迎えておりました。
 パリ日本人保育園幼稚園は11日から3学期が始まりました。この頃は昨年お友達に送っていた年賀状のお返事がどんどん届きます。「これはTちゃんからのお年賀状です」と話して賀状をお見せしますと。Aちゃんは「だいすきなこだ!」と、嬉しく大声を発しました。「とうきょうのしんじゅくで であって ごはんたべた!」と、SちゃんもTちゃんの思い出を話してくださいました。「これはSちゃんからのお年賀状です」と絵を描いてくださっている賀状をお見せしました。Kちゃんは「Mちゃん(Kちゃんのお姉さま)のおともだちなんだよ」と嬉しそうに言われました。「このこしってる!」とか、「このこしらない」とか、Fちゃんからの絵を描いてくださった賀状を見て「ふじさんだ!」とか、「さるだ!」とか喜びの大声が響き渡りました。そのうちに「どうして サルかくの」との質問が出ました。「だって ことしは さるどしなんだよ」と、さすが年長組のMちゃんが得意顔で話してくださいました。壁面の大きな十二支の「申」文字と猿の絵を見ながら説明をしました。
 昨年のはじめ1月7日、そして終わり11月13日のテロ事件で悲しみと怒りに包まれた一年でした。サル、去る。今年はテロの去る年にしたいです。平凡な生活といつも変わらない日常の勤めを果たしていた人が殺害されていったあと、パリで出会う身近な人たちのなかに安心安全の意識が変革しつつあるように感じられます。自分だけが平穏であればいいという既存意識が現在の不確実な時代とともに「個人の安心安全は不確実」との意識が芽生えてきています。パリの地下鉄や近郊高速電車は毎日といえるほど「不審な荷物が見つかりました。処理が終わり次第電車は動きますのでご協力ください」との車内放送があります。乗客は「また!」と言いながら携帯電話で連絡を取り、騒ぐことなく動くまで待っています。
 「命」というのは一切の宝のなかで第一の宝です。安心安全、生命尊厳の確保は平和を創っていくことだと思います。外からやってくるのものではなく自分の心のなかで毎日育てていくものです。持続し、困難があっても貫いていくなかに平和は創られていきます。お友達をいじめてはいけません。傷つけてはいけません。これからも園児たちと一緒に安心安全の保育、生命尊厳の保育を続けてまいります。



良き苗を創る

 11月13日金曜日21時30分ごろからパリはテロリストに攻撃されました。130人の命が失われ世界同時進行で悲しみと怒りに包まれました。14日土曜日には在仏日本大使館から現状説明と注意書がメールで送られてきました。また直接電話にて園児を守るための指導がありました。また仏国文部省からの通達を日本語で送信していただきました。同時に園から園児のご父母様たちに無事確認メールを送信させていただきました。
 当園は指導通り11月16日から開園しました。おかげさまで園児はじめご家族の皆様方は無事でした。12時から黙祷の時間を設け、黙祷の前に先生と園児との話し合いをしました。Sちゃんは「クラスともだちの おねえさんの ともだちがしんだ」と悲しそうに話してくださいました。Mちゃんは「おんがくするところ テロリストがきて ころしたんだよ」と。Kちゃんは「おどっているところに きゅうにきて パンパンうって みんなしんだ けがしたひとが いっぱいいた」と、園児たちはテレビで見た事や親から聞いた事を話し、命は掛替えのないもので自分の命はもちろん他人の命も大切にしなければならない事を話し合いました。「通常の活動で園外に出る活動については、公共交通機関を利用しての移動でない限り、継続して実施してよい。」との指導のもと朝のお散歩は園児たちは元気に、保育士たちは緊張しながらも続けました。
 時を逃す事なく、若者たちの平和希求の声、動きが始まりました。テロに加わっていく若者の何倍何億倍もの若者たちが平和を創るために自分の考えを発表し、自分のできることに動き出しました。平和が弱ければ平和ではないのです。平和は強くなければ平和ではないのです。幼児期から強く、正しく、のびのびとした保育をし、良き苗を創ることです。良き苗は良き青年となり、良き青年は良き社会人になっていくことでしょう。
 歴史を変えることはできませんが未来を変えることはできます。歴史を銘記し、怨讐を引き伸ばすのではなく共に戒めとし、過去をもつれさせることなく、若い力が未来を切り開き、創り上げた平和を後世に伝えていく活動を共に推し進めていきます。
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