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おむすびの日

 阪神淡路大震災から1月17日で18年になりました。不死鳥のごとき復興は東日本大震災の被災者に、被災地にそして世界に勇気と希望を贈っています。一昨年の東日本大震災で自宅を離れ避難所で過ごした時、そこで手渡された一個のおむすびを親子で分け合ったとの話しを聞いています。1月17日は「おむすびの日」でもあります。18年前の阪神淡路大震災では、炊き出しボランティアのおむすびに多くの被災者が救われ励まされました。この善意の心をとどめようと1月17日が「おむすびの日」という記念日になったのです。
 東灘区に住むかつてのT同僚の安否を尋ねる為に必需品と共に、おむすびをリュックに詰めて道なき道を歩いて行った、というパリ日本人学校の元教員達、私は在仏日本大使館にT教諭の安否を尋ねましたが すぐには分かりませんでした。日本の実家に連絡を取りましたが全てが混乱でT先生とは連絡が取れないとの事、安否を尋ねるとともに激励のお手紙を書き送りました。後日、大使館からT教諭は無事であるという知らせを受け取りました。私からの手紙も届いたらしく、「現実に負けないで、生きていきます」と、勇気あるお返事を頂き私が励まされたものでした。
 東日本大震災の3月11日に日本に居た園児のTちゃんは「おばあちゃんの いえにいくため おかあさんといっしょに バスにのってたけど バスからおりた かえろうとしたけど ともだちのいえにいって そのいえでみんなといっしょにねた つぎのひ おとうさんが むかえにきてくれた みんなでおむすびたべた」と思い出しながら話して下さいました。
 「おむすびが、どうしておいしいのだか、知っていますか。あれはね、人間の指で握りしめて作るからですよ」と太宰治の『斜陽』の中で母が娘に語っています。誰が握ってくれたかは分からない。だが、“一刻も早く被災者に!”との思いを感じ、その思いを忘れまいとする日、直接手を握る事は出来なくても、握りしめた励ましの真心はきっと相手に届くでしょう。心は見えませんが心はつながります。心は心を動かします。心こそ大切です。
     
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